hoshifune / 物語と影絵と仮面

About us

物語と共に旅をするhoshifuneの世界へようこそ。

わたしたちは今ご縁ある大地を借りて、制作と公演とともに小さな畑をはじめました。
食べることは生きること。
わたしたちの祖先も太古むかしから、生きるために食べて、生きるために旅を続けてきたのだと思います。

そしてその中で幾度の困難に直面しても、わたしたちは祈り、歌い、舞い、時に泣き、そして笑い、手を取り合い、食べて生きてこの今に命を繋いできてくれたのだと思います。

そしてその旅の中で、いくつもの出会いに命の数ほどの物語が生まれ、食べることとともに、物語によって命を育み、命をつなぎ、命を結んできてくれたのだと思います。

この命を支えてくれるご先祖様、そしてこの命を与え、ここに生きるためのすべてを与えてくれる大いなるものに心からの感謝をこめて、わたしたちの命を表現していきたいと思っています。

「もう一度、この大地につながり、わたしの足で立ちたい。」
「今」というこの瞬間に 湧き上がった思い、大切にしてきた思いを小さいながら実践し、失敗と経験を繰り返しながらも、わたしたちの命にまっすぐに表現し続けることに注意深く、素直にありたいと思っています。

そしてそこから生まれる物語を、影絵や語り、舞、仮面、音楽、あらゆる表現を模索し続け、皆さんの命と共鳴しながら、また次の世代へと繋いでいけたらと活動をしています。

命によりそう、命を温める、命を育む物語を。

わたしたちhoshifuneはそれぞれに活動を続け、そして共に響きあうことを重ねることで、独特の命のリズムを刻んでいます。

その絶妙な呼吸とハーモニーで、皆さんと共にそれぞれの深い物語の森へと誘います。

わたしたちの心の森を豊かにすることが、この地球の森を、そして森につながる海を豊かにすることだと信じ、活動をしています。

世界のどこかで皆さんにお会いできる日を心から楽しみに夢見ています。

和田江美子 書.jpg

「かぜの子たけちゃん」より抜粋「いのりうた」
作 わたなべなおか  書 和田江美子

hoshifune  物語作家 わたなべなおか

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バリの芸能は元々奉納、つまり、神さまや精霊たち、ご先祖さまなど、目に見えない存在に対して演じられてきたもの。芸能を通じてこちらの世界とあちらの世界をつなぐ、そのことでエネルギーが循環し、こちらの世界もあちらの世界も共に豊穣となる。それが芸能というものが持つ大切な力なのだと思います。バリでも日本でも、他のどこかでも、元々芸能とはそういうものだったのたと思います。

hoshifuneが大切にしてきたのも、そういうこと。目に見えない世界。それを自分たちのパフォーマンスで、つないでいくこと。

hoshifuneの作品は、わたなべなおかの物語世界を影絵と仮面で立ち上げていく、ということを基本にしています。その物語たちには、常にそういう目に見えない世界への眼差しがあり、それはそのまま、私たちのいのちそのものへの眼差しなのです。

チェンマイでの共同制作公演を終えて帰国した私たちを待っていたのは、COVID-19の世界的感染拡大でした。予定していた公演も全てキャンセルになりました。そのとき相方が発した言葉が「今、大地をこやさないと。」でした。

大地をこやす。私たちの「豊楽舞」の歌詞にある「こーやせ、こやせ 大地をこやせ」。そうして相方にひっぱられるようにして小さな畑を耕しはじめたのです。

畑で土をいじる日々の中、真っ先に考えたのは、菌のこと。ウイルスのこと。そういう微生物たちのこと。土にはたくさんの微生物たちがすんでいて、それが土を豊かにし、植物に栄養を与えると同時に植物から栄養を受け取っている、共生関係ができあがっている。私たち人間も、たくさんの微生物たちと共生関係にあり、もしこの微生物たちがいなくなってしまったら生存できないほどだとか。

だとすると、人間も野菜も、共生関係にある菌やウイルス、微生物たちもひっくるめて全部でひとつの「いのち」と言えるのではないか。その意味では、COVID-19も私たちのいのちの一部なのかもしれない。

菌やウイルスたちも「目に見えない」ものたち。それももしかしたら古の人たちは感覚し、芸能を通じてエネルギーの交換をしていたのではないか。

大地をこやすことは、いのちをこやすこと。畑を育てることは、芸能によって豊穣をもたらすこととつながっている。

相方の「大地をこやす」の一言に触発されて始めたことが、自分の芸能の根源につながっていたことに気が付いたのです。バリの芸能から学び、日頃から口にしていたことが、初めて自分の実感として、いのちとして感じられた気がしたのです。

すると、バリの師匠の姿が浮かびました。

あぁ、師匠が見ていた世界はこんな世界だったのかもしれない。師匠は畑や田んぼこそ自分ではやっていないけれど、この豊穣世界の中に芸能の民として存在していたのだ。

舞うこと。演じること。奏でること。まつること。大地をこやすこと。

hoshifuneにとって、それは私たちと目に見えない世界をつないで、いのちを祝福すること。

それがCOVID-19のおかげで実感として湧き上がってきた今、hoshifuneの旅はまた新しい星に導かれはじめました。

その星に従って、これからまた旅をつづけたいと思います。

新たな旅の、はじまりです。

hoshifune バリ仮面舞踊家 小谷野哲郎

( hoshifune Profile )

「自然」「風土」「夢」から得たインスピレーションを元にわたなべなおかの身体感覚を通した経験から創作した物語を、バリ仮面舞踊家、小谷野哲郎が演出。影絵や舞、語り、仮面を駆使して舞台作品化し、全国各地を巡っている。

2018年にはインドネシア・バリ島およびチカランにて公演とワークショップ。 2019年より、タイ・チェンマイの劇団Wandering Moonおよびサンフランシスコの影絵演出家 Larry Reed(ShadowLight Productions)との共同プロジェクトが開始。 共同制作により、2020年2月にはタイ・チェンマイで「Soul Food ~Itadakimas!! Mea Posop~」のタイトルで公演(助成:国際交流基金バンコク)、2021年より日本、アメリカ他で順次公演予定。海外にもその活動の場を広げている。

ふたりの絶妙な呼吸とハーモニーで、そこにいる人を深い物語の森へと誘います。

世界のどこかで皆さんにお会いできる日を夢見て。

代表作:
「カムイミンタラ~神さまの庭~」 アイヌの伝説を元にした影絵作品

「ほしの子」アボリジニの森での体験からヒントを得たフクロウと人との魂のつながりを描いた 影絵作品

「神さまへの捧げのもの~バリがバリと呼ばれる理由」バリ島の伝承を元にした影絵物語

「メグルタイコノミズ」太古の水の道を巡る物語を仮面と影絵で演じる

「Soul Food ~Itadakimas!! Mae Posop」チェンマイの劇団Wandering Moonとの共同制作作品。影絵と仮面を駆使して「食」と伝統の知恵を描く。

主な公演:
2015 北海道白老町 TOBIU CAMP参加
2016 山梨県西湖 マンモスパウワウ出演
2018 インドネシアツアー
奈良県天理市Story Time出演
2019 チェンマイにて共同制作開始。6月台北にて公演、12月沖縄ツアー
2020 1月チェンマイにてアーティストインレジデンス「花開 hana hilaku」参加。2月チェンマ イにて共同制作公演「Soul Food ~Itadakimas!! Mae Posop」

ほしふね☆ hoshifune☆

小谷野哲郎(こやのてつろう)

仮面舞踊・役者・影絵・音楽/ジュクン・ミュージック代表

東海大学音楽学課程在学中よりバリ島のサウンドスケープ研究の傍ら、バリ舞踊を始める。同大学院修了後、1995年よりインドネシア政府給費留学生としてバリに留学。帰国後、プロのバリ舞踊家として活動を開始。

バリの仮面やガムラン音楽、影絵を駆使しながらも、バリの枠にとらわれずに国内外で様々なジャ ンルのアーティストたちと公演活動やワークショップを展開。役者としてもコンテンポラリーの舞台などで活躍。近年では岩手県遠野市の早池峯神楽の舞人としても活動している。

バリガムラン芸能集団「ウロツテノヤ子」、物語作家わたなべなおかとのユニット「ほしふね ☆」としても国内外に活動の場を広げている。 日本インドネシア芸術文化交流オフィス「ジュク ン・ミュージック」代表。

わたなべなおか

物語作家・語り・影絵・仮面/やらだ出版代表

「命に寄り添う物語を」の思いを元に、世界一 小さな出版社「やらだ出版」を主宰している。

沖縄の久高島より言開きしたCD付絵本「ぼくはうま」をはじめ、沖縄南城市で創作したCD付紅型絵本「やどかりの夢」を刊行。流通をほぼ介さず「手から手へ」ご縁に育まれ、4,000冊を完売。3作目となる実話を元にした言葉のない活版印刷絵本「しののめ時間~おばあちゃんの朝のしご と」を刊行。

「物語」から聞こえる声を絵本の中心に影絵や音楽朗読ライブを通して、国内外で表現している。その他代表作に奈良県吉野郡大淀町今木に実在する保久良古墳を描いた手話語「かぜの子たけちゃん」などがある。

バリ舞踊家小谷野哲郎とのユニット「ほしふね ☆」では、影絵やパペット、仮面を駆使しながら 国内外で公演やワークショップを展開。

影絵公演、影絵や仮面ワークショップなどのご依頼など、お気軽にお問い合わせください。

公演等ご依頼料金についてはこちらをご確認ください。

https://yalada.jp/?p=773

活動詳細については、インスタグラム「hoshifuneya」にてご覧いただけます。https://www.instagram.com/hoshifuneya/

お問い合わせ先
hoshifuneya@gmail.com    090-2733-3062(ワタナベ)